日本食レストランを作ろう in シリコンバレー【イベントレポート】

今や寿司・ラーメンを筆頭に、焼き鳥・天ぷら等、シリコンバレーでも愛される日本食ですが、「ポテンシャルはまだまだあるよね？」という疑問の下、構想がスタートしたのが「食プロジェクト in シリコンバレー」。
そんな構想に興味を持っていただいたエコッツェリア協会さんと、6月21日にディスカッション形式のイベントを開催いたしました。

エコッツェリア協会・3×3 Lab Futureの田口さんからの説明を受け、イベントが始まりました。今回は、大手町に新しく完成したAgVenture Labさんのイベントスペースをお借りしました。

その後弊社代表の桝本が登壇し、カリフォルニアにおける日本人の歴史について説明。
開国後の1800年代後半から1900年代初頭にかけてカリフォルニアの大地で活躍したワイン王・長澤鼎やライス王・国府田敬三郎など、「シリコンバレー」と呼ばれる遥か前、カリフォルニアでは農業の最先端は日本人が走っていました。

戦争で日本に帰れなくなった一世や、自らのルーツを知らずに育った二世・三世が多い中、母国の心を忘れないようサンノゼジャパンタウンはアメリカで唯一の歴史保護地区になっている日本人街として未だ残っています。しかしながら時代は変わっていき、「日本のいいもの」をアップデートする人が少なくなったのも事実です。1990年代までは味噌ラーメン＝味噌汁に乾麺を入れた店があるほど、日本食文化に対する認識のずれが生じていました。

インターネットが本格的に普及し「シリコンバレーブーム」が日本にも広がった2000年代以降、全世界の人々がカリフォルニアで本格的なラーメンをすすり、職人の握る新鮮なネタのお寿司を頬張る光景をよく見るようになりました。現在、シリコンバレーとサンフランシスコを合わせて日本人によるラーメン店は100店舗近く存在します。IT企業の食堂ではソーダの代わりにお茶が手に取られ、現地のスーパーでは味噌・みりんなどの調味料が並び、日本の味の存在が文化に欠かせないものとなっています。

そんな中、もちろん全ての日本の情報が滞りなく伝わっているかと言うとそうでもありません。日本では「当然」と思われる地方の物産や、旅行の醍醐味であるB級グルメなど、現代の食文化においては不可欠にはなっているものの、海外へ送り出すハードルの高さから諦めてしまっている方が多いためです。「もっと日本の良いものを伝えたい」、そう思ったのが「食プロジェクト」のきっかけです。

ここからは参加者のみなさんに実際に伝えたい日本食の文化や、シリコンバレーで発信する上での方法を次々とディスカッションし、発表していただきました。地元を盛り上げたいと熱心に語る地方出身の方や、「こういうアイデアがあれば」と次々と発想を出す方、学生らしく大人では思いつかない発想で周りを驚かす方などとても有意義な発表の場となりました。

【シリコンバレーらしい？技術を駆使したアイデア】
• 「AIで気分と身体の状態に応じたメニューを作成してくれる和食レストラン」
• 「自動運転を利用している企業とコラボをしてデリバリーやケータリング」
• 「インポッシブルフードのような新時代の食品を使った日本食」

【世界中から人が集まるからこそ実現出来そうなアイデア】
• 「『憩いの場』でおふくろの味を食べられる食事体験」
• 「精進料理をVegan料理としてお寺風の室内で提供」
他にも色々なアイデアが飛び出し、気づけば閉館時間ギリギリまでディスカッションは行われました。

構想として始まったばかりのこのプロジェクトですが、こうやって東京に日本全国出身の方が集まるイベントを定期的に行い、世界に日本食のプレゼンスを更に強めるべくシリコンバレーにて発信し続けます。参加者のみなさん、エコッツェリア協会・3×3 Lab Futureのみなさん、AgVenture Labのみなさん、貴重な機会をありがとうございました。

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